【おうちでマネしたい!】子どもが自分で片付けられるようになる空間作りのポイント5選
子育てでこんなお悩みはありませんか?
- 使った道具やおもちゃがいつも出しっぱなしで全然片付かない。
- ちゃんと元あった場所に片づけてくれず、場所が分からなくなる。
- 片付け方が雑だから、全然片付いているように見えない。
子どもに関わる方の多くがこの片付け問題に頭を悩ませているのではないでしょうか?毎日「ちゃんと片付けしなさい」と言うのはストレスだから、出来れば言いたくない。かと言って声掛けしなければ部屋は片付かないまま。いっそのこと代わりにやってあげた方が楽な気もしてくるけど、毎回なんてできないし、子どもがそれに慣れてしまうのも困る…。
片付け問題は環境調整で解決
実は、注意・指摘無しでも子どもがスムーズに片付けが出来るようになる方法があります。それは発達特性に合わせて空間を作り変えることです。なぜなら、片付けられない原因は子どもの能力にあるわけではなく、片付けやすさ感じられない環境にある場合が多いからです。
私は児童福祉施設に5年勤めて得た発達障がいや感覚過敏の知識をもとに、放課後等デイサービスや教育支援センター、フリースクール、一般家庭などの空間デザインに携わる中で、それまで片付けが苦手だった子が大人からの指示無しでも片付けが出来るようになる事例を多く見てきました。
この記事では、子どもが片付け上手になる空間調整の方法を5つご紹介します。これらの方法を実践すると、今までストレスだった注意・指摘が激減し、子どもとのより充実した時間を増やすことができます。結論、方法は以下の通りです。
- 引き出しは使わない
- 上着はハンガーにかけない
- 教科書・ノートは平積みでOK
- 物の住所を決める
- 家の物量を減らす
それでは、一つずつ詳しく解説していきます。
1 引き出しは使わない
収納に引き出しを使用している方はとても多いと思います。引き出しは収納物を目隠しするのでスッキリ見せることができて便利かと思いますが、注意すべき点があります。それは出し入れの際の作業行程が多いということです。
- 引き出しを引く
- 物をしまう
- 引き出しを押す
「大した作業ではないだろう」と感じる方もいるかと思いますが、このちょっとしたひと手間が片付けの面倒さを誘発してしまっているのです。したがって、引き出しを使わない代わりにワンアクションで作業が完了する収納としましょう。
ワンアクション収納
例えば写真のように収納ケースを使った方法がオススメです。
収納ケースに入れる作業は、上から入れるだけのワンアクション収納です。余計な動作を必要としないので、サクサクと片付けを進めることができます。
必ずしも引き出しがダメなわけではない
決して「引き出しを使ってはいけない」というわけではありません。引き出し収納の良いところは収納物を目隠しできることです。特に勉強空間では視覚情報を出来る限り減らした方が集中しやすくなりますので、収納物を引き出しを使って目隠しすることは効果的です。目的に合った収納方法を選びましょう。
2 上着はハンガーにかけない
上着はいつもどのように収納していますか。例えば上手くハンガーにかけられず、上着がずれ落ちそうになっていたりしませんか?上着が綺麗にかかっていないとどうしても部屋が散らかった印象になってしまいますよね。そのような場合はハンガーをオススメしません。
実はハンガーに上着をかける作業は、行程が多い上に動作的にも難易度が高いため、上手くできない子が多いのです。
- ハンガーを手に取る
- 片手でハンガーを持ちながら、もう片方の手で上着をかける
- 左右のバランスを見て整える
- ラックにかかっている他の衣類を寄せてスペースを作る
- ハンガーをラックにかける
苦手な作業を毎日行わなければならないのは、とてもストレスがかかることです。しかし、以下の方法であれば、簡単に上着を収納できる上に見栄え的にもそこまで気にならなくなるのでオススメです。
大きめの収納ボックスに入れる
床に直置きした大きめの収納ボックスの中に上着を入れるだけの方法がオススメです。なぜなら、この方法が動作的に最も簡単で、かつ見た目もそこまで乱雑な印象を与えないからです。
壁掛けフックを使う
壁掛けフックに上着をかける動作もハンガーよりはるかに簡単です。特に雨や雪に濡れた上着を乾かしながら保管したい方にはこちらがオススメです。ただ、子どもによっては壁掛け動作も難しく感じてしまう場合があるので、事前に試してから決めるといいでしょう。
ハンガーの練習はOK
ハンガーが使えるようになるのを諦めた方が良いという訳ではありません。あくまで日常的な使用によってストレスが溜まるのを防ぐために、よりハードルが低い代替手段を提案しています。したがって、ハンガーを使う練習するのは全く問題ありません。
3 教科書・ノートは平積みでOK
教科書やノートを棚に収納するとき、「縦入れ」があるべき形と認識している方が多いと思います。しかし、この縦入れが片付けの難しさに繋がるのです。縦入れが上手くいかず、グチャグチャに押し込まれているのをイメージできる方も多いのではないでしょうか。
縦入れ収納の場合、片手で他の収納物を押さえてしまうスペースを作り、もう片方の手で冊子が開かないように棚に入れ込むといったような難しい動作が伴います。この動作が上手くできないと、片付けるのが面倒になってテキトーな場所に放置され、部屋が散らかりかねません。
平積みできる棚を設ける
平積みして収納するのにちょうど良いサイズの棚を作りましょう。教科書・ノートの収納であれば、幅25cm×奥行30cm×高さ20cm(内寸)くらいがオススメです。コツは棚の高さをあまり高くしないことです。こうすることで、平積みの乱雑な印象を緩和することができます。
収納ボックスに平積みはNG
収納ボックスに平積みするのはやめた方がいいです。なぜなら、下の方にある物が取りにくくなるからです。平積み収納する場合は、横から引き出せるようなしまい方としましょう。
4 物の住所を決める
家の中にある物全てに所定の置き場(物の住所)を定めましょう。そして、使った後は必ずその住所に戻すことを徹底しましょう。なぜなら、物の住所が明確でないと使った物がランダムに放置されてしまい、部屋の散らかりや紛失を誘発してしまうからです。
物の住所を定める際は、以下のポイントに参考にしてください。
物の住所にラベリングする
収納場所にラベリングすることで、誰が見ても明確な住所とすることができます。家族のように複数人で空間を共有する場合は、目で見てわかるルールが大切です。
また、子どもの特性によっては、文字よりもイラストの方が理解しやすい場合もあります。その場合はイラスト付きのラベリングにすると良いでしょう。
空間用途に合わせて住所を配置
物の住所は使用頻度の高い場所に配置するようにしましょう。なぜなら、必要な道具が普段使用する場所から遠いと、取り出しや片付けが非常に面倒になるからです。例えば文房具はリビングでも使うし、勉強空間でも使うと思います。そのような場合は、文房具の住所をリビングと勉強部屋の両方に配置するようにしましょう。
5 家の物量を減らす
家に置くものは必要最小限にするように心がけましょう。物を処分するのは簡単なことではないと思いますが、家の中が物で溢れていると片付けをサボりやすくなってしまいます。なぜなら、物で溢れた空間では、出しっぱなしのものが視覚的に目立たなくなってしまうからです。
最近では必要最小限の物で生活する「ミニマリスト」という言葉を耳にする機会も増えてきましたが、ミニマルな空間はオススメです。出しっぱなしの物に注意が向きやすくなるので、「片付けをしなきゃ」という意識が働きます。
ただ、物を処分する際はコツやマインドが必要です。以下に3つのポイントをまとめてみました。
①機能が重複しているものは1つに絞る
同じ機能を持ったものが複数あったりしませんか?例えば、計算機・カメラ・固定電話などはスマホのアプリで代用できるはずです。機能が重複している物は積極的に一つに絞りましょう。
②子供の作品は写真に残す
学校や学童、放デイなどで作ってきた子どもの作品。作品には思い入れも詰まっていたりするので、捨ててしまうのは抵抗を感じますよね。だからと言って、延々と取っておいても作品は溜まっていく一方。工作が大好きな子であれば、毎日のように何かしら作ってきて、部屋一面作品で埋め尽くされているなんてこともあるかもしれません。
作品と上手にお別れする方法として有効なのが、写真にとって記録することです。写真を印刷して作品集にするのもオススメです。例えば、スクラップブックに写真を貼って、その横に本人のコメントとして「工夫した点」や「上手く出来た点」などを書き込めるようにするのも良いでしょう。作品集に作品が溜まっていく感覚も子どもの充実感に繋がるのではないでしょうか?
③いつか使うかもしれないは使わないと考える
今は使っていないけど、「いつか何かで使える時がくるかもしれない。だから捨ててしまうのはもったいない。」そんなふうに考えてとっておいている物ってありませんか?そのような「いつ?」「何に?」がハッキリしない物をとっておくのはやめましょう。本当に来るか分からない未来のために物をとっておくよりも、物を減らすことで得られる生活の質の向上を優先させた方が良いです。もし仮に将来それが必要になったとしても、「その時は買えばいい」と考えるようにしましょう。
まとめ
以上、子どもが自分で片付けができるようになる空間作りのポイントを5つご紹介しました。
ただし、これら全てを実践しなければならないわけではありません。もちろん子どもによっては必要の無い空間調整もあります。したがって、子どもの実態に合わせて取捨選択してみてください。
また、ほんのちょっと調整するだけで劇的に生活が変化するというわけでもありません。大切なのは、子どもの特性に合わせておうちを総合的にデザインすることです。そうすることで生活の質が大幅に向上します。
とはいえ、「やるべきことは分かったけど、実際に我が家でどうやって形にしていけばいいか分からない…。」という方もいらっしゃると思います。SOLODYでは空間デザイン・収納デザイン・コンサルティング等行なっていますので、是非お問い合せください。
お問い合わせはこちら→https://solody.jp/contact/