【児童施設で取り入れたい!】感覚過敏の子どもが過ごしやすい空間づくりのポイント6選

子どもの施設環境を整える上でこんなお困りはありませんか?

  • 感覚過敏への配慮ってどうすればいいの?
  • どうしても騒がしくなってしまいがちな施設内をどうにかすることはできないだろうか?
  • うちの施設は視覚に過敏さがある子にとっても居やすい場所となっているだろうか?

感覚過敏は周りから受ける刺激に対して不快感や疲労感を訴えるものです。そのため、苦手な刺激がある場所で過ごすことが難しくなってしまうのです。感覚過敏の困りというのは、他者からは非常に分かりにくいです。そのため当事者の困りに対して周りがそもそも気付いていないことも多いですし、配慮しようと思っても「じゃあどう対処すればいいのか」と悩まれる方も多いはずです。

 

空間調整で改善できる場合がある

実は、空間を調整することで感覚過敏の子でも安心して過ごせる環境を作ることができます。なぜなら、感覚過敏の子は空間内の刺激によって困り感を感じている場合が多々あるからです。

私は児童福祉施設に5年勤めて得た発達障がいや感覚過敏の知識をもとに、放課後等デイサービスや教育支援センター、学校、保育園、一般家庭など、多岐にわたる空間作りに携わっています。その中で、感覚過敏に配慮した空間のあり方を研究し、多数の事例を作ってきました。

この記事では、感覚過敏に配慮した空間作りのポイントを6つ紹介します。これらの方法を実践すると、施設環境の刺激に苦しむことなく、充実した活動時間をおくることができます。結論、方法は以下の通りです。

  1. 間接照明とする
  2. 照明の色温度に注意
  3. 真っ白な空間としない
  4. 必要最小限の視覚情報とする
  5. 吸音材を貼る
  6. 個の空間を設ける

それでは1つずつ解説していきます。

 

1 間接照明とする

照明は出来るだけ光源が見えない間接照明としましょう。なぜなら、蛍光灯やLEDの強い光は視覚過敏の子にとっては眩しすぎるからです。目を開けているのが辛くなったり、光が目に突き刺さるような不快感を与えてしまいます。

間接照明による空間は、照明器具の選び方や設置方法を工夫すれば誰でも作ることができます。以下にポイントを挙げます。

シェードがついた照明器具を選ぶ

シェードは電球を覆うカバーのことです。シェードが強い光の緩衝材のような役割を果たし、光源が直接目に入ることを防ぎます。半透明のシェードもお勧めです。光を拡散して柔らかい光としてくれます。

スポットライトで壁や天井を照らす

スポットライトは光の向きを調節できる点で便利な照明器具です。ポイントは光源が直接目に入るような向きとするのではなく、壁や天井に向けて照らすことです。壁や天井の反射光によって空間全体を明るくするという考え方です。

折り畳めるブースを使う

照明器具を自由にカスタマイズすることが難しい場所もあるでしょう。その様な時は「折り畳めるブース」がお勧めです。パネルが半透明の素材でできていますので、設置するだけで間接照明化された空間が作れます。商品の詳細はこちら→https://solody.theshop.jp

 

2 照明の色温度に注意

照明は色味も重要です。光の色は色温度(K)で表し、色温度が高いほど光は青白くなり、低いほど赤みがかった色となります。この色温度の好みは人によって異なりますが、視覚過敏の子の中には強い白色に対して不快感を感じる場合があります。その場合は、3000K程の暖色系の照明を使用すると良いでしょう。

とはいえ、「暖色系の照明は暗くて見えにくくなるのでは?」と心配する方もいるかもしれません。確かに、天井照明1灯のみで部屋全体を照らそうとすると、薄暗い空間になってしまいます。暖色系の照明を使用する場合は、空間の用途や印象を考慮して必要な箇所に照明を散りばめることがポイントです。例えば、

  • テーブルの上にはペンダントライトを吊るす
  • 作業用デスクの上はスタンドライトで照らす
  • 部屋の隅の影になりやすい箇所はフロアランプで照らす

などといったイメージです。こうすることで、暖色系の照明を使っても薄暗い印象を回避することができます。

 

3 真っ白な空間としない

先述の通り、視覚過敏の子は真っ白なものが苦手な場合があります。白色が眩しく感じてしまい、目を開けていられなくなってしまうのです。真っ白過ぎる空間も同様です。壁や天井の仕上げ材、建具、家具などを選ぶ際は、白で統一するのではなく、淡いグレーやペールトーンカラーなどの色の付いたものを選ぶと良いでしょう。

 

4 必要最小限の視覚情報とする

室内を必要以上に装飾したり、掲示物を壁一面に貼ったりするのは控えましょう。ついつい視覚的な寂しさを感じて開いている空間を埋めたくなってしまうことは多々あると思いますが、視覚過敏の子は情報量の多い空間にいるだけで疲労感を感じたり、混乱してしまったりするからです。したがって、感覚過敏に配慮した空間とする場合は視覚情報は必要最小限が原則です。

 

5 吸音材を貼る

多くの子どもが利用する施設では音が大きくなりやすいです。聴覚過敏の場合、このような騒がしい空間が苦手と感じるケースは少なくありません。したがって、出来るだけ音が響かないような対策を取ることが大切です。

例えば、市販の吸音パネルを壁に貼ることで音の反響を減らすことができます。他にも、カーペットを敷いたり、壁にタペストリーをかけたりすることで反響を抑えることも可能です。

 

6 個の空間を設ける

外の雑音や視覚情報を遮断した個の空間は、感覚過敏の子に安心感を与えるシェルターのような働きをします。例えば広く開けた部屋しかない施設では、全員でその場所を共有せざるを得ないので、人が多い場所が苦手な子は自分の居場所の獲得に困ってしまいます。また、パニックに陥って気持ちが不安定の時は環境の刺激が少ない場所の方がクールダウンに適しています。このように、困った時の逃げ場が保証されていることで、過敏性のある子でも安心して過ごせる環境を構築することができるのです。

個室を個の空間として割り当てるのでも良いですし、もし個室を設けることが難しければ写真の箱の間のような空間を設けるのも良いでしょう。この事例では、内部に優しい光の照明を置き、入り口のレースカーテンを閉めればさらにプライバシーが保たれる空間となります。

 

まとめ

以上、感覚過敏の子が過ごしやすい空間調整の方法を3つご紹介しました。今回ご紹介したポイントを意識して空間調整することで、過敏さがある子はもちろん、子どもを預ける保護者にとっても安心できる施設空間となります。

とはいえ、「やるべきことは分かったけど、実際にどうやって形にしていけばいいか分からない…。」という方もいらっしゃると思います。SOLODYではインテリアデザイン・収納設計・個別アドバイスを行なっておりますので、是非お問い合わせください。

お問い合わせはこちら→https://solody.jp/contact/

 

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