【おうちでマネしたい!】子どもがスムーズに身支度できるようになる環境作りのポイント3選

子育てでこんなお悩みはありませんか?

  • 子どもの朝の身支度に膨大な時間がかかる。
  • 「早くしなさい!」や「これ持った?」などの声掛けが大変でストレス。
  • とにかく忘れ物が多くて困る。

忙しい朝。子どもの身支度をサポートするのは大変ですよね。そんな状況でも子どもはマイペース。出発の時間が迫っているのに、身支度の手を止めて別のことを始めたり、ボーッとしてたり。挙げ句の果てには、必要な持ち物を持たないまま出発しようとしたり…。遅刻や忘れ物を何度も経験しているケースも多いのではないでしょうか。

もしかしたら空間のせいかもしれない

実は、そんな子でも身支度をスムーズに終えられる方法があります。それが空間調整です。なぜなら、身支度作業が進まないのは環境要因が大きく影響している場合が多いからです。

私は児童福祉施設に5年勤めて得た発達障がいや感覚過敏の知識をもとに、放課後等デイサービスや教育支援センター、フリースクール、一般家庭など、多岐にわたる空間作りに携わっています。その中で、それまで身支度に時間がかかっていたり、忘れ物が多かった子どもが、空間作りを工夫することで自分一人で速やかに身支度を終わらせるようになった事例を見てきました。

この記事では、子どもが身支度をスムーズに行える空間調整の方法を3つご紹介します。これらの方法を実践すると、子どもが短時間で身支度を終えられることはもちろんのこと、支援者の声掛けがなくても子どもが自主的に身支度できるようになるといった効果も期待できます。

結論、方法は以下の通りです。

  1. 持ち物を分散させない
  2. 身支度空間を物理的に遠ざけない
  3. 身支度以外の行動が起こらない空間とする

それでは、1つずつ詳しく解説していきます。

1 持ち物を分散させない

ハンカチ、ティッシュ、家の鍵、カバンなど、子どもが毎日持ち歩くものはどこに収納していますか?リビング、子供部屋、脱衣所、玄関…と、おうちのあちこちにバラバラにして収納していませんか?この持ち物を分散して収納するやり方が、身支度をスムーズに行う障壁となるのです。その理由は以下の通りです。

身支度中に関係ないものが目に入りやすくなる

持ち物があちこちにしまってあると、それを取りにいくために移動する必要が出てきます。すると、移動中に身支度とは関係ない誘惑物(テレビ、スマホ、おもちゃ、マンガなど)が目に止まりやすくなってしまいます。特にADHDの特性がある子は、この視覚的な誘惑に注意を奪われてしまう傾向が強いです。そうすると、身支度の手が止まって作業に時間がかかりすぎてしまうのです。

移動中に何を準備すべきか忘れてしまう

身支度で複数の持ち物を揃えなければならない場合、一つ準備ができると別のものを忘れてしまうことがあります。特にADHDの不注意傾向がある子はワーキングメモリが低く、準備すべき物を頭の中に保持しながら作業を進めることが苦手です。そうすると、忘れ物が発生しやすくなってしまいます。

身支度専用棚を作ろう

毎日持ち歩くものを収納するための身支度専用棚を作りましょう。身支度専用棚を作る時のポイントを2つ紹介します。

1 持ち物を並べて配置しリスト化

毎日必要なものは、収納ケースなどを使いながら並列させることでリスト化しましょう(上記写真の棚中段を参照)。こうすることで、いちいち必要な物を思い出して取りに行ったりしなくても、端から順番に手に取るだけで済むので、簡単に準備を終えられます。

2 持ち物ボックスを作る

毎日は使わないけど、日によって持っていく必要がある物もあると思います。そのようなものは、持ち物ボックスに入れるようにしましょう(上記写真の棚上段を参照)。

持ち物ボックスは使い方が肝心です。当日ではなく、前日のうちに必要な持ち物を持ち物ボックスに入れておきます。思い出したタイミングで入れておくのでOKです。当日は持ち物ボックスに入っているものを手に取るだけでOKにしましょう。

こうすることで、朝の短い時間で慌てて持ち物を揃える必要がなくなります。忘れ物の発生率も低くなるはずです。

2 身支度空間を物理的に遠ざけない

上記で身支度専用棚をオススメしましたが、身支度専用棚を作ればそれで良いと言うわけではありません。身支度専用棚をどこに配置するかも非常に重要です。

玄関からリビングの動線上に設置しよう

身支度専用棚の設置場所は、玄関からリビングまでの動線上がオススメです。なぜなら、そこが普段頻繁に通行する動線にあたるからです。こうすることで身支度時の移動距離を最短にすることができ、関係の無い視覚情報に惑わされることが少なくなります。身支度時の動線はできる限り短くしましょう。

一方、身支度専用棚が2階の子供部屋にあったらどうでしょうか。これだと、身支度をするためにいちいち階段の上り下りをしたり、移動距離が増えてしまい、周りの視覚情報に注意を奪われたり、移動中に必要な物を忘れてしまったりしてしまうのです。

リビングに身支度スペースを設けるのは要注意

先ほど、玄関からリビングまでの動線上に身支度専用棚を配置することをオススメしましたが、リビング内は注意が必要です。なぜなら、リビングは娯楽を目的として空間づくりされている場合が多く、やるべき事への注意を阻害する要因が非常に多いからです。テレビ、ゲーム、おもちゃ、マンガなどをリビングにおいているご家庭も多いのではないでしょうか。そのような誘惑物は身支度する手を止めてしまう要因になるので、身支度時には目に入らないようにしたほうがいいです。

リビングを間仕切りするのはOK

とはいえ、「我が家には玄関からリビングまでの動線上に身支度専用棚を配置できるスペースなんて無い」というご家庭もあるかと思います。その場合は、リビングを間仕切りして視界が遮られた身支度専用スペースを作ってみてはどうでしょうか。例えば、間仕切りカーテンでエリア感を出しつつ視界を遮れば、リビングの誘惑物に惑わされずに身支度を進めることができます。

3 身支度以外の行動が起こらない空間とする

身支度のための空間では使用上の注意があります。それは、その空間で身支度以外の行動が起きないようにすることです。例えば、「身支度もするし、勉強もする空間」のように複数の用途を持たせるのはオススメしません。なぜなら、多目的空間では、「そこが何のための場所なのか」という印象が薄れて、その場その時に不適切な行動がとられやすくなってしまうからです。特にASDの特性がある子は場面や状況の理解が苦手な場合が多く、その場その時に不適切な行動をとってしまうことがあります。

身支度に関係のないものは置かない

1つの空間で用途を兼用させるのではなく、空間ごとに用途1つを意識しましょう。従って、身支度空間には身支度に必要なものが揃った身支度専用棚のみ置いてある状態が理想です。そうすることで、場面や状況の理解が苦手な子どもでも「ここは身支度のための場所」と認識しやすくなります。

 

まとめ

以上、子どもがスムーズに身支度できるようになる空間調整の方法を3つご紹介しました。

今回ご紹介したポイントを意識して身支度空間を作ることで、「早く用意しなさい!」などといったストレスフルな注意・指摘が激減し、子どもとのより充実した時間を増やすことができます。さらに、子どものうちから「こうすれば自分は身支度に時間がかからず、忘れ物も起きにくくなる」ということを経験的に理解することで、大人になって一人暮らしを始める際にも自立して行動できることでしょう。是非この記事を参考にしていただき、最高の身支度空間を作ってあげてください。

とはいえ、「やるべきことは分かったけど、実際に我が家でどうやって形にしていけばいいか分からない…。」という方もいらっしゃると思います。SOLODYではインテリアデザイン・収納設計・個別アドバイスを行なっておりますので、是非SOLODYにお問い合わせください。

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