【児童施設で取り入れたい!】子ども同士のトラブルが起きにくくなる環境作りのポイント3選
児童施設でお勤めの職員、あるいは経営者の皆さん。普段子どもの見守りをしていて、こんな事起きませんか?
- 勉強や読書など、落ち着いて過ごしたい子のそばでワイワイと盛り上がってしまい嫌がられる
- 周りの人の存在をお構い無しに目的地に向かって突き進み、衝突して喧嘩になる
- 距離感が近すぎてしまい、他の子から疎まれる
子どもが集団で利用する施設では、子ども同士のトラブルが付きものと言っても過言ではないでしょう。職員の皆さんも子ども達のトラブルに上手く対応するために、日頃から支援・指導の勉強をされていることと思いますが、トラブルが頻発してしまうとさすがに手に負えませんよね。
トラブルの原因は空間にあるかもしれない
実は、指導以外にも子ども達のトラブルを減らす方法があります。それが空間調整です。なぜなら、空間のあり方が原因でトラブルが起きやすい状況となってしまっていることが多くあるからです。
私は児童福祉施設に5年勤めて得た発達障がいや感覚過敏の知識をもとに、放課後等デイサービスや教育支援センター、フリースクール、一般家庭など、多岐にわたる空間作りに携わっています。その中で、それまで毎日のようにトラブルが起こり、子ども達も職員もストレスフルな日々を送っていたのが、空間を最適化することで大幅にトラブルを減らすことができた事例を見てきました。
この記事では、子ども同士のトラブルが起きにくくなる空間作りの方法を3つご紹介します。これらの方法を実践すると不必要なトラブルを未然に防ぐことができ、子ども達は充実した活動ができ、職員は一つ一つの支援・指導により専念できる状態を作れます。
結論、方法は以下の通りです。
- 多目的な空間を避ける
- 十分な通路幅を確保する
- 空間に隔たりを設ける
それでは、1つずつ詳しく解説して行きます。
1 多目的な空間を避ける
一つの空間をいろんな用途で使っていませんか?例えば、ボードゲームもできるし、工作もできるし、勉強や読書もできる空間です。このような多目的な空間を闇雲に作ることはお勧めしません。なぜなら、多目的空間では相性の悪い活動が同時発生しやすくなるからです。多目的空間は「いつ、どんなことでもできる自由な場所」という印象を強く与えてしまうので、勉強をしている子のそばでワイワイとゲームを始めたり、刃物を使って工作している子のそばで体を大きく動かす活動をしたり、といった活動が自然に発生してしまいます。
特に以下のような特性を持つ子は、周りの状況を察知して自分の行動を調節することが難しいです。
- 行動する前に一旦止まって状況を確認したり、先々の見通しを持ったりせずに、思ったことを即行動に移してしまいやすいADHDの子
- ルールとしてハッキリと明示されていなければ、状況問わず思うままに行動してしまいやすいASDの子
このように、場面や状況にそぐわない行動が起こると、「あいつは空気が読めないやつだ!」「邪魔だ!あっち行け!」などといったトラブルに発展してしまうのです。
空間をエリア分けする
従って、空間は用途ごとにエリア分けしましょう。エリア分けるすことで、相性の悪い活動が同時発生しないように行動の棲み分けができます。
個室が潤沢にある施設ばかりではないと思います。しかし、個室が無いからといってエリアを作ることができないわけではありません。パーテーションや収納棚を使えば、1つの空間を複数エリアに分けることができます。
また、エリアを作る際は収納も重要です。なぜなら、収納物に統一性があると「そこが何のための空間なのか」が明解になるからです。逆に、エリア用途に関係のないものが多く収納されていると、空間の意味合いがぼやけてしまい、場所に不適切な行動が起きやすくなってしまいます。
2 十分な通路幅を確保する
児童施設においては、通路幅をやや広めに取るようにしましょう。なぜなら、通行の際に子ども同士で衝突したり、誰かが作った作品にぶつかって壊れたり等、トラブルに繋がる事故を誘発してしまうからです。
特に以下のような特性を持つ子は、通行による事故を発生させやすい傾向があります。
- 周りの人や物の存在をお構いなしに、目的地に向かって最短距離で向かおうとするADHDの子
従って、通路幅にゆとりが出るように家具を配置し、不必要なトラブルは未然に防ぐようにしましょう。
3 空間に隔たりを設ける
施設内が全体に開けすぎた空間となっていませんか?広々としていて賑わいのある空間を良しとする考え方もあると思いますが、これには注意が必要です。なぜなら、開放的すぎる空間では相性の良くない子同士の距離を保つことが難しくなってしまうからです。児童施設では「自分はあの子と距離を置きたいのに、相手の方から近づいてきてしまう」といったケースがあります。
特に以下のような特性を持つ子は、人との適切な距離感を保つことが難しく、しばしばトラブルにつながってしまうことがあります。
- 相手の気持ちを想像することが難しく、自分の思うままに相手に近づきすぎてしまうASDの子
- 行動する前に相手の気持ちを考えることをしないまま、相手に近寄っていってしまうADHDの子
周りから少し距離を置けるような隠れ家的な空間があると、子どもたちも他者との距離を保つための居場所を見つけやすくなります。発達障がいの困り感を抱えた子が多く利用するような施設では、開放的な大空間よりもむしろ適度に空間同士に隔たりがある方が居心地の良さを感じやすいです。個室を沢山設けるというのも一つの手ではありますが、それが可能な施設ばかりではないと思いますので、いくつか現実的な方法をご紹介します。
間仕切り棚、パーテーション、カーテンなどで間仕切り
これらは、壁を作らなくても手軽に空間を分けることができるのでオススメです。
子どもがこもれるような箱を作る
こちらもDIYで作れるようなものです。子ども達にも人気で非常にオススメです。
SOLODYの「折り畳めるブース」を使う
折り畳めるブースは好きな場所に個室空間を展開できる折り畳み式の卓上パーテーションです。これを使用することで、子ども自身が周りから距離を置いている感覚を得られることはもちろんのこと、周りから見ても「今は声をかけるタイミングでは無いな」ということを認識しやすい点で、とてもオススメです。
商品の詳細はこちら→https://solody.theshop.jp
まとめ
以上、子ども同士のトラブルが起きにくくなる環境作りの方法を3つご紹介しました。
今回ご紹介したポイントを意識して施設空間を作ることで、対人トラブルによる子ども達のストレスを減らせるとともに、本来注力すべき活動をより充実したものにすることができます。そうすることで、子ども達は施設で過ごす時間をきっと好きになるはずです。是非この記事を参考にしていただき、最高の空間を作ってあげてください。
とはいえ、「やるべきことは分かったけど、実際に我が家でどうやって形にしていけばいいか分からない…。」という方も多くいらっしゃると思います。SOLODYではインテリアデザイン・収納設計・個別アドバイスを行なっておりますので、是非お問い合わせください。
お問い合わせはこちら→https://solody.jp/contact/